情けは。

それは草木も眠る夜中の2時過ぎ頃のこと。


私と友人は夜中にラーメンを食べて、店を出、車に向かうところでした。


「すみません、道を尋ねたいんですが…」
見ればそこには年のころなら20歳位の兄ちゃんが立っておりました。


話を聞くと、彼は近くの幹線道路を通って、繁華街のある駅まで行きたいとの事。
で、その幹線道路へ行く道を尋ねてきてたのですが、私はその近辺の地理には明るくありませんでしたので、その辺りに詳しい友人に説明をまかせていたのです。しかし、どうも口で説明しにくい上に、かなりの距離があるようです。


「散らかってて構わないなら、後ろに乗せて行こうか?」
どうも埒が開きそうにないし、その兄ちゃん、悪いヤツでも無さそうなので、私はそう切り出してみました。
すると、その兄ちゃん、二つ返事で話にのってきました。

結局、その彼を乗せて、目的地まで送ってあげる事に。


道中に聞いた話によると、どうやらその兄ちゃん、目的地にあるお店でアルバイトをしているらしいのですが、そこへ家の鍵を忘れたまま帰宅。家に入れず、終電も終わった後で、どうしようもないので、タクシーでバイト先へ戻ろうとするも、所持金が少なかった為、途中までしかタクシーが使えず、タクシーの運転手に道を聞いたものの、曲がり道に気づかず、延々と違う方向へ歩き続け、途方に暮れ始めたところで私達に出会ったそうな。

なんともはや…(;´Д`)
ツイてない兄ちゃんですなぁ^^;

話を一通り聞き終わった頃に目的地に到着。
丁寧に礼を言って兄ちゃんは降りていきました。


その後、友人曰く「あの兄ちゃんは運がいい」との事。
なるほど、夜中の2時を回った、人通りの無い市街地で、車に乗ろうとしている人間に上手く出会ったのだから、そうなのかもしれません*1


後は、戻ったバイト先に人が残っていれば文句なしなんでしょうけど。
普段、3時頃までは誰かしら残っているらしいのですが、到着したのは、そのギリギリ10分程前。ちょっと何かあれば早く帰っていても何の不思議も無いタイミング…。

そこまで運が持てばいいね、兄ちゃん(笑)
後、自分が言っておいて何だけど、見ず知らずの人間の車に、何の躊躇も無く乗ってしまうのはどうかと思うよ?

*1:歩行者は道を聞けても送ってはくれないし、車に乗った人間を捕まえるのは容易ではありませんし。