感想編(笑)

「小さき勇者たち GAMERA」あらすじ→昨日の日記


今回のガメラはスタンス的に、リアルにパニック映画としての怪獣映画として制作された、平成ガメラ三部作とは逆に、昭和のシリーズ的な路線のファミリー映画としての怪獣映画だと思います。
無論、昔のノーテンキとも言える子供が出てきてガメラと絡むという話ではなく、話の質は高く(リアル?)に進化しています。


テーマ的には「護る者、護られる者」といった所でしょうか。
冒頭の30年前のガメラを見つめていた少年、津田寛治演じる透の父親は、自分達を護る為に自爆したガメラに対して何も出来ずにいた事を、恐らく心のどこかに後悔として持ち続けていたのだと思います。
その思いが父親として息子を危険から護ると共に、また繰り返される怪獣同士の戦いで、過去の自分と同じようにトトを失う悲しさと無力感からも透を護ろうと、トトと関わりを絶つように諭す行動に繋がっていくのですが、しかし、息子透は「トト(自分の育てた者)は自分が護る」という意志をもって、それを行動に移していく。

自分と同じように、自分が産み出したものを護り、その上、自分が踏み出せなかった一歩を息子が踏み出していくのを見たときに、それを送り出すと共に、自分も30年前に停まったままになっていた想いの続きを歩みだしたのだと思います。


そして、クライマックス。子供達による、ガメラの力の元「赤い石」のリレー。ガメラに護られている子供達が、ガメラを護る為に走る姿はとても頼もしく描写され、感動的だったと思います。



という訳で、少年の成長物としてのストーリーは及第点だと思いました。*1


ただ、惜しむらくは、怪獣映画としてのクライマックスのバトルが物足りないというか、寂しかった気がします。
後半、延々と戦ってはいるのですが、見せ場になるようなアクションが殆ど無く、平成三部作のような殺陣のカッコよさというのはほぼ皆無かな、と。唯一、「お〜!」と思ったのはジーダスガメラに仕掛けた「逆巴尻尾投げ*2」のカット。
赤い石を取り込んで、パワーが開放された後は、ほぼすぐ火球を吐いて終わっちゃいました(;´Д`)モウスコシ アバレテ ホシカッタ


怪獣ヲタクお断り、昔、怪獣が好きだったお父さんお母さんが子供を連れて観に行くのが吉*3。それを解かった上で観るならば、ヲタさんでも楽しめる一本だと思います。


追記。観に行った映画館の3階でこの映画をやっていたのですが、そこへ向かうエレベーターで20歳代のカップル発見。てっきり、同じ階で上映している「ア○スエイジ 2」を観に行くのかと思っていたら、ガメラ観にきてた…。ちなみに私は一人で観に行ってた。おいおい、彼女連れてガメラは大丈夫?と思ってて、上映後、たまたまそのカップルを見たら、楽しそうだった。ヨカッタネ。

*1:最後、ガメラを大人たちから護る為にたくさんの子供が軍隊の前に立ちふさがるシーンは演出的に???でしたが…。

*2:ぎゃくともえしっぽなげ:私が勝手に付けた技名(笑)ジーダスの尻尾にくっついたガメラを、ジーダスが前回りして地面に叩きつける

*3:多分、それぞれがそれぞれに感想を持てると思います