初トラバ記念

この日記を書き始めて一年二ヶ月程なのですが、なんだか、12/21の日記に初めてトラックバックを頂いたようです。

『実物日記』
http://d.hatena.ne.jp/bullet/20051228

少年シリウスコミックス」創刊に関する内容を取り上げていただきました。


で、肝心のシリウスのコミックの、ウチの店への配本はどうだったのかと言いますと…



「龍眼 -ドラゴンアイ-」が2冊で、後は0〜1冊…。

『実物日記』さんの集められた、他の方の日記によると、どこもそれ程多くは無いようですし、出版社の広報も上手くは機能していないように見受けられます。

シリウス」、見限られた?


いやいや、コミックの新ブランドを立ち上げたくらいなので、それはないでしょうが*1…。


でも、まぁ、正直言って、講談社や「シリウス」編集部が、この雑誌およびそのコミックをどうしたいのかがわかりません。

コミック誌を含む、雑誌というものは、読者の支払う代金のみで収益を得ているのではなく、実は収益のかなりの部分を広告収入が占めています。
広告というのは、いわゆる、漫画や記事の間にある怪しげな通販や、タートルネックで頭を半分隠した病院の宣伝だったりするアレです。

雑誌全体のなかでの広告の入る場所や、誌面に占める大きさに応じて広告費用を受け取り、実際の雑誌の制作費に充てたりする事で、雑誌の価格が安く押さえられる訳です。
で、広告料を決める要素の一つに、発行部数があります。
「発行部数が多い=広告が人目に付く可能性が高い」
のですから、当然といえば当然ですね。

では、発行部数を増やすにはどうすればいいのか?と出版社や編集部は考えるのですが、答えは簡単。読者に対して価値のある情報*2をたくさん載せれば良いのです。
良い雑誌なら売上部数が増える。
とりあえず、当然と言えましょう。

では、何故、とり合えずなのか?

世の中に、「面白い漫画」を求めて、自分でたくさんの雑誌・コミックを読んだり、情報を仕入れる人はたくさんいますが、それ以上にそういうのを探さない*3人もたくさんいます。
世の中、良い作品だから売れる訳ではありません。
ある程度の水準を持っている作品ならば、ある一定以上の売上を生むのは宣伝であるからです。
自分で読んで探さない人の為に、様々な形で宣伝をしてやる事が重要。
目立つ所では、作品のドラマ化・アニメ化*4、地味にクチコミというのもそうですし、単行本化もそれを兼ねているでしょう。
バカ売れしている単行本があれば、「連載も読んでみたい」という人も必然として増えていくでしょうし、逆もまた真で、雑誌を売る事で、単行本の売れ行きを増やす事が望めるでしょう。

そう考えると、「シリウス」は折角の、雑誌を宣伝する機会をみすみす捨てた事に?
そして、それによってコミックの売れ行きもスパイラル的に縮む方向へ…?
やはり、講談社は、この創刊ラインナップに関してはもっと大量部数を刷った上で、目立つ展開を期待できる、他の月にコミックを創刊するべきではなかったのでしょうか?


今回の、「他の有力商品が多い」「殆どの店で大々的な売り方が出来ない刷部数」
という展開の仕方はやはり、間違っていたのではないでしょうか?
実際の商品を見る限りでは、キチンと配本して、しっかり展開してやれば、そこそこの売れ行きが期待できる作品群だと思うのですが…。
仮にも日本一を誇る出版社なのですから、その辺りは考えていただきたかったなぁ…という所存でゴザイマス。

*1:見限るならコミックを出す前に休刊にしてしまえば良いのだから。

*2:コミック誌の場合は面白い作品

*3:探そうとしない

*4:私の感覚として、元々売れている作品や、余程広報の上手な作品以外は、わざわざ「観に行かなくてはいけない」映画化は前の二つに比べて効果が薄い気がします。