一応、去年も取り上げたので。

「第51回 小学館漫画賞」決定(http://www.shogakukan.co.jp/mangasho/
児童向け部門 『アニマル横町』  前川涼 集英社
少年向け部門 『ワイルドライフ藤崎聖人 小学館
少女向け部門 『そんなんじゃねえよ』 和泉かねよし 小学館
一般向け部門 『太陽の黙示録かわぐちかいじ 小学館
       『RAINBOW 二舎六房の七人安部譲二柿崎正澄 小学館


(お断り:以下、賞に関しての感想を書いていますが、『受賞』という事に対する感想であり、『作品』に対する感想・評価ではないことをお断りしておきます)



全体に小粒というか、正直「え〜!?」という印象。内容的には少年向け部門の『ワイルドライフ』しか読んだ事はないので、どうこう言えないのですが、商業的な部分で小学館や、出版業界に影響を与えたとは言えない*1ラインナップかと思います。

部門別の感想としては…
児童向け部門…--昨年の『ケロロ軍曹』『でんじゃらすじーさん』に比べて売れ行きもさることながら、児童向け漫画につきものの「良い意味での毒っぽさ」にかけるかな?と。「子供向け」というジャンルに対して大人が思い描く「純真さ」みたいなものしか感じられないような?優等生過ぎというのかな?「アニメ化されたから」という以外にセールスポイントが見えてこないのが残念。ていうか、このジャンル(特に男子向け)自体が玩具とのタイアップしかやっていなくて『「作品」数』が減少傾向で死に体なのでは?

少年向け部門…連載開始当初の頃は、作品自体にそれなりの勢いがあった気がしますが、はっきり言って「旬は過ぎた」作品ではないか?と。ぶっちゃけ昨年の『BLEACH』の次にコレは辛いものがあるような…。サンデーなら『結界師』なんて今が旬じゃないかと思っていたのですが…。

少女向け部門…どうなんでしょう?売り場にいる人間としてはそこそこ売れるし、「アリかな?」とも思うとともに、お客さんが店頭で話題にしたり、無いからといって問い合わせをしてくるレベルまでは勢いがキていないような…。ちなみに今年の私のこの部門の予想は『萌えカレ』でした(笑)

一般向け部門…どちらも「作品」のレベルとしては低いとは思いませんが、「商品」としてのレベルがイマイチな気がします。ただ、一時期それなりに盛り上がりのあったこの部門の対象雑誌「ビッグコミック」系の凋落(売れ行きだけに限らず、作品の質の低下、コンセプトの迷走)を考えると仕方の無い事なのかも。


昨年、一昨年辺りから、小学館コミック誌は幼年誌「ちゃお」以外、迷走を続けているような気がします。何が面白いのか、どうすれば売れるのか…。
青年誌「ビッグコミック」系は、それを読む層がそろそろ定年退職を迎え、「通勤のお供」としての需要が減ると言われていて、実際に単行本レベルでは実際に「売れない市場」という雰囲気があるのですが、実際には需要の問題ではなく、一般部門の所でも書きましたが、作品や雑誌の「コンセプト」が迷走・低下して読者を増やせていないのではないか、と思います。これは実は青年誌「ビッグコミック」系にとどまらず、少年誌である「サンデー」も顕著であったりすると思いますが。


昨年の不振期間を種まきと信じ、今年はそれが芽を出して、先へつながっていく事になればいいなぁ、と思いました。

*1:ぶっちゃけて言うと「そんなに売れてない」という事。