ハウルの動く城(一部ネタバレアリ)

ほぼ10日経ってからなんなのですが、感想をば。

宮崎駿監督の代表作は?」と聞かると「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」と言った辺りを挙げる人が多いかと思うのですが、この2作品のイメージから、宮崎監督は「メッセージ性」「テーマ性*1」といった物が多分に含まれた作品を作る監督だというイメージ強いのではないかと思うのですがどうでしょう?
まぁ、私が勝手にそういうイメージで宮崎駿を見ているだけかもしれませんが。

でも、落ち着いて考えてみるに。

私が宮崎駿作品の中で一番好きなのは「天空の城ラピュタ」ですし、「となりのトトロ」「千と千尋の神隠し」も私的ランキング上位に入っているんです。
ラピュタ」は冒険活劇、「トトロ」「千尋」は寓話的で、いずれも「テーマがどうの」「メッセージがこうの」とかといった難しいことを考ずに、純粋に「お話」として観る事が出来て、やっぱりそういう作品の方が面白いと思うんですね。

元をたどれば「未来少年コナン」「カリオストロの城」「名探偵ホームズ」等を手懸けてきた訳で、それを考えれば、宮崎監督の本分は娯楽色を前面に押し出した作品なのだろうと*2

毎回毎回それっぽいテーマををインタビューで語ったりしているのは、きっと鈴木敏夫の陰謀かもしれないw

で、前置きが「超」長くなりましたが(苦笑)「ハウル」はテーマとかを全く気にせずに観れる、「白馬の王子と姫(姫の方が強いがw)」のロマンス(?)映画でした。

試写会を観た人の話で「主人公ハウルの声をあてているキムタクの演技がヒドイ」という評判が多数ありましたが、私としては、「いや、これはキムタクが演って大正解だろう。」と。
ハウルの「表向き気取っているけど、実は普通に弱っちぃ」というキャラを見事に演じていたと思います。
どちらかと言えば、ソフィー役の倍賞さんの方が違和感ありました。
倍賞さんの声は落ち着いて聞こえるので、18歳と言われるとちょっと辛く感じました。20代半ばに聞こえちゃいました*3

CMや映画情報では殆ど取り上げられていない脇役も、キチンとキャラが立っていてとても良かったです。
ヒン(犬)をハウルの変身した姿と勘違いして、かかえながら必死で階段を昇っているシーンはワラタ。
あと、カルシファーを一度城から出してしまい、城が崩壊した後、小さくなったカルシファーを城に戻したら、瓦礫の中から小さな動く城になって復活したのもカワイかったw

とりあえず、一番「ヤラレタ!」と思ったのは、最後も最後、終わる寸前になって、案山子のカブがソフィーのキスで元の姿*4に戻り、「実は僕は呪いで姿を変えられていた隣国の王子で、ソフィーのキスで元の姿に…」と語っているのを、ほぼ全員でスルーしてエンディングに流れ込む所。
定番ハッピーエンドネタが捨てネタかよっ!
ヤラレタ!なんて贅沢なw

トータルでスゴク面白い映画でした*5
1800円払って観る価値あると思いますよ^^

*1:特にエコロジー

*2:無論、作品を作り上げる為には、一本筋の通ったテーマというモノは絶対必要。それをこれ見よがしに出すか出さないかの話

*3:ストーリー的にそんなに大きな問題ではないのですが…

*4:隣国の王子

*5:どんな映画でも一瞬ウトウトする私がずっと起きてたw